ライカでまず買うべきレンズ(標準レンズ考)

      2016/05/20

ライカを買おうと思った時、まず最初にどのレンズを買うべきか、どんな組み合わせ・順番で買っていくか、といったことを選んでいく過程は楽しくもあり、悩ましくもあるかとおもいます。
そこでかなり独断と偏見込みなレンズ考察・レンズの組み合わせ考察を行ってみたいと思います。
基本的にM8、M9、M(typ240)以降のデジタルライカ向けに書いているので、レンズは現行品か直近に製造終了したものばかりになります。
新しい世代のものほどデジタルとも相性が良いですので。
でも、このレンズ考察はフィルムライカの方の参考にもなるかと思います!
あと、40mmとか、24mm、25mmとかは隙間を埋めるような感じに存在してるのであえて入れてません。これらを含めるととんでもなくバリエーション増えてしまうので・・・。

1.標準レンズについて

「標準レンズは50mmでは?」 はい、仰るとおりです。私も標準レンズは50mmだ!と思っている人です。
しかし、使いやすさ・汎用性・普及度を考えると35mmも標準レンズと呼んで良いのではとも思っています。
ただ、M型ライカの場合は最短撮影距離が70cmですので、被写体をクローズアップするのが難しく、M型ライカを使うという点で言えば35mmは広角レンズに含むべきだとは思いますが・・・。

2.レンズの組み合わせ

撮れる写真の幅にダイナミクスを持たせたい、と思うとレンズ焦点距離の組み合わせが大切になってきます。
ライカではレンズは取り付けてる1本だけという使い方が潔いというかレンズ交換が面倒くさいとは思うのですが・・・。
持ち運ぶレンズの組み合わせ、揃えていく順番などを考察します。

3.最初の1本目標準レンズをどうするか

02.jpg50mm? or 35mm?

これは好みで選んでしまうしかないとおもいます。
1つ言えることは、自分が標準と思う画角はF2.0くらいの無理のない設計のレンズとF1.4クラスの大口径レンズの2種類を揃えたほうが良いと思います。
35mmでもF1.4クラスになると十分なボケ量が得られて写真らしい写真が撮れます。
F1.4あると、ISO400以上にすれば夜間も手持ち撮影可能になりますし。日中は設計に無理のない性能重視なF2.0レンズを使うのがオツかもしれません。
あと、自分が標準と思える画角のレンズは増殖を続けます・・・。

01.jpg増えに増えた50mmレンズ達・・・。しかも、これで全部じゃないよ・・・

4.焦点距離の組み合わせ

こんなの言い出したらキリがないんですが、バランスの良さそうな組み合わせを考えます。
1本の場合
・50mm
・35mm

2本の場合
・90-50mm ・・・ちょっと注視する系
・75-35mm ・・・狭く、広く
・50-28mm ・・・標準に広角

3本の場合
・90-50-35mm ・・・ライカの伝統的スタイル
・90-50-28mm ・・・バランスタイプ
・75-35-21mm ・・・超広角も使いたい
・50-35-28mm ・・・保守的な組み合わせ

私が週末に撮り歩くときは、大体上記の組み合わせを意識してレンズを選びます。
標準レンズのみ、って時は50mmと35mmの両方を持っていきますが、別焦点距離の組み合わせで持ち運ぶ時はこのパターンが多いです。
50mmと35mmを両方持ち歩くのが嫌だから40mmで! とか
28mmと21mmを両方持ち歩くのが嫌だから24(25)mmで! というのも良いかと思います。

5.焦点距離別のレンズ考

【90mm】
松レンズ:APO-Summicron F2.0
竹レンズ:Summicron F2.0 フード内蔵最終型Summarit F2.4・2.5、Elmarit F2.8 フード内蔵最終型
梅レンズ:Tele-Tessar 85mm F4.0、APO-Lanther F3.5
番外:Planar 85mm F1.4(Nikon-F,Yashica/Contax)

レンジファインダー機では使われる頻度の低い90mmですが、ライカの90mmレンズはとても優秀なものが揃っています。
松レンズのアポズミクロンは言わずもがな、凄まじいシャープネスとコントラストを誇っており、開放から全力で撮れます。問題は使用頻度の割に高価格という所でしょうか。
竹レンズ群はディスコンもありますがだいたいお値段も同じ。見た目と重量と欲しいF値の好みで選べ、とても充実しています。
梅レンズは、アポランターが中古で安価に出回っています。Lマウントですがアダプターもお安いですし。綺麗な個体が手に入るならアリだと思いますが、Lマウント時代のコシナフォクトレンダーレンズは曇りやすいようですので現物で要チェックです。
テレテッサーは・・・、明るさの割に高すぎる気もします・・・。
番外のプラナーF1.4は、Fマウント用の現行品や、ヤシコンのオールドを、M240を使ってEVF撮影する時だけ有効です。ただ、一眼レフ用レンズですのでどデカくなります(´д`;)

【75mm】

松レンズ:APO-Summicron F2.0
竹レンズ:Summarit F2.4・2.5
梅レンズ:Heliar classic F1.8、Color-Heliar F2.5
番外編:Summilux 75mm F1.4

ライカとしては一番歴史の浅い部類の焦点距離ですね・・・。
フレーム枠が登場したのもM4-P以降ですし、レンズの種類も少ないです・・・。
松レンズのアポズミクロンは凄いです。私も使いましたが圧倒的です・・・。
竹レンズのズマリット、写りは優秀みたいですが、どうも廉価版という位置づけのためかレンズ外装の質感が気に入らない人は全く受け入れられないかもしれません。
梅レンズのヘリアークラシックは現行で安価に手に入ります。開放は描写が暴れますが絞ればなかなかのものです。中古しかないカラーヘリアーも写りは優秀で球数も多く安価です。クモリだけ要注意です。
番外編のズミルックス75mmは・・・・、お値段だけやたら高いですが・・・正直写りは良いと思えないですね・・・。希少価値とズミルックスというブランドでしょうか・・・。

【50mm】

松レンズ:APO-Summicron F2.0Summilux F1.4 ASPH.
竹レンズ:Summicron F2.0C-Sonnar F1.5Nokton F1.5 Vintage Line
梅レンズ:Summarit F2.4・2.5Planar F2.0
番外編:Noctilux F0.95Nokton F1.1Sonnetar F1.1

王道の標準レンズ、50mmは選択肢が非常に多いです。
松レンズのアポズミクロン、これは地球最強の性能を誇っており、75mm、90mmのアポズミクロンをも凌駕する圧倒的描写力です。
ズミルックスは圧倒的に美しいボケ、King of Bokehの称号を与えたいレンズです。開放から十分にシャープですが、アポズミクロンと違って絞っても四隅がやや甘いです。
竹レンズ、ここが一番個性的で美味しいところだと思います。ズミクロンはアポズミクロンに次ぐExtremeなシャープネス、Cゾナーは個性的なボケがありますが、絞り値によるフォーカスシフトが酷くてコシナに納得の行く調整をしてもらわないと辛いものがあります。ノクトンはLマウント時代からエレメントは引き継いでおり、とても優等生な写りをします。
梅レンズのズマリットはとてもシャープですが、レンズ外装が気になる人は無理でしょう。プラナーは当たり障りなく写る優等生です。
番外編は・・・禁断の開放大口径戦線なわけですが、一番手を出しやすいのはノクトンです。殆ど飛び道具的に使うレンズですので、確かな1本を持った後に買いましょうw

【35mm】

松レンズ:Summilux F1.4 ASPH.FLEDistagon F1.4Summicron F2.0 ASPH.
竹レンズ:Summarit F2.4・2.5、Biogon F2.0、Ultron F1.7 Vintage Line、Nokton F1.2
梅レンズ:Color-Skopar F2.5 IIP

これまたライカの王道焦点距離で選択肢多数。
松レンズはどれを選んでも後悔しないでしょう。
ズミルックスはASPH.でも、現行のフローティングエレメント搭載のものを買わないと絞り値による焦点移動が酷いので、くれぐれも中古で安いからといって1世代前のただのASPH.を買わないようにしたほうが良いです。
ディスタゴンはつい最近リリースされたレンズでまだ触ったことがないのですが、優秀そうです。ただ、松の3本の中では一番巨大です。
あとディスタゴンという名前はレンジファインダー機を使う人には良い印象が無いハズですのでそこに耐えられるかですね・・・。
この中ではズミクロンが一番地味に見えますがとんでもないシャープネスとコントラストの高い絵が撮れます。開放のボケ量と暗所耐性だけがズミルックスに勝てません。
竹レンズは、ズマリット・・・外装が(ry。ビオゴンはとても良い子です。間違ってもC-Biogonを買ってはいけません。Cのほうがコンパクトですが、クラシックのCですのでレンズ構成が対称形、像面側テレセントリック性が低く周辺減光とマゼンタ被りが発生します。通常のF2.0ビオゴンでも周辺減光は発生してしまいますが・・・。ウルトロンはクラシックな見た目が良いですね。ノクトンは本家ライカレンズを凌駕する明るさです。写りはやや甘いですが・・・。
梅レンズのカラスコは、梅としてしまいましたが、使い方次第では素晴らしいです。とてもコンパクトですし、デジタルで使っても不具合は殆どありません。シャープネスとコントラストがやや甘いですが、ボディーであっぷあっぷになってしまったお財布に何かレンズを・・・となったら、こいつが一番安価ですので迷わず買いましょう。

【28mm】

松レンズ:Summlux F1.4、Summicron F2.0 ASPH.
竹レンズ:Elmarit-ASPH. F2.8、Biogon F2.8
梅レンズ:Ultron F2.0

松レンズのズミルックスはつい先日発売ですね。値段とレンズの巨大さに耐えられるのであれば一択でしょう。ズミクロンは値段も性能もバランス取れていると思います。
竹レンズのエルマリートはコンパクトさと写りに定評がありますね。一番のオススメです。ビオゴンは50cmまで寄れるのでM240だとLVが捗ります。
梅レンズのウルトロンは写りは甘いですが、夜間も戦える心強い味方です。

【21mm】
松レンズ:Summilux F1.4、Elmarit F2.8 ASPH.、Super-Elmar F3.4 ASPH.
竹レンズ:Biogon F2.8、Ultron F1.8
梅レンズ:Color-Skopar F4P

松レンズのズミルックスは・・・ありえない値段、凄まじい重さに耐えられれば是非。ディスコンになったエルマリートASPH.が一番バランスが良いと思いますが、みなさん考えることは同じで中古相場が高騰しています。スーパーエルマーは・・・写りは良いですけどF値が中途半端と言わざるをえない・・・。
竹レンズのビオゴンはとても優秀です。最短も50cmですしライカレンズでは出来ないことが出来ます。これも35mmと同じくCビオゴンは周辺減光とマゼンタ被りが激しいので買わないほうが良いです。ウルトロンは夜間も戦えます。開放はやや甘いですが、絞ればとても優秀です。
梅レンズのカラースコパーは・・・小振りで良いですが周辺減光とマゼンタ被りが気になりますね・・・。モノクロームでしたら問題ないんでしょうが。安価とは言え、頑張ってビオゴンかウルトロンに手を出して欲しいところです。

6.結論

こう言ってしまうと身も蓋もないんですが、結局は全部試したくなると思います。そして、かなり初期の段階で頭のなかに最適解が見えているはずです。ですが、全部試すんだと思います。沼ですね・・・・。
ただ、少しでも深みにはまらず沼を抜け出し悟りの境地に達するためにも、熟考して行くべきかと思います。
自分がどんな写真が撮りたいのか、どんな写りが好みなのか、これが全てです。
ちなみに私の場合は、

ジャズのライブハウスでの撮影→光線状況劣悪→開放大口径へ
ハイコントラスト・エクストリームシャープネス・現像耐性良好(快調が残る)→過剰スペックなレンズ→現行ライカレンズ
ということで、一番の茨の道へ進み始めてます・・・。

超広角系もライカレンズで揃えたいんですが、ライカの超広角レンズはお高いので・・・。使用頻度を考えると二の足を踏みます。
ツァイスZMレンズのBiogonで28mm、21mmを揃えましたが、幸か不幸か、最短がどちらも50cmでライカレンズには無いメリットを持ちあわせており、これらを手放すことはライカレンズで最短50cmを達成するまではありえないでしょう。

そして、明日の夜から長期休暇で妻と娘の待つ仙台へ旅立ちますが、持っていく機材は・・・

03.jpg

M240、X2、Elmarit 90mm F2.8、Summilux 50mm F1.4 ASPH.、Summilux 35mm F1.4 ASPH. FLEとなりました。え、多いって?(笑)
これでも21mmは切ったんですよ(´д`;)

アポズミクロン50mmが退院してたらLux50mmは外したかもしれませんが。
本音は防湿庫ごと持って行きたいです!!!

ズブズブの沼ですが、ライカ、楽しいですよ。
ライカ用レンズでα7系を使うのも楽しいかと思います。

是非こちら側へいらしてください・・・w

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