2016年版 ライカの買い方
2017/07/23
ライカ使用歴もそろそろまるっと4年、ということで毎年変わりゆくライカの買いかたの2016年版をまとめてみようと思います。
1.どこで買うか
1)店頭もしくはネットで新品
初めて買うのであれば、新品が一番無難です。新品であれば2年間の国際保証が付きます。
時々オークションなどで「正規店購入ですか?」といった質問のやり取りをみかけますが、そもそも正規店って何なんだろう?と思います。ライカストアの事? ライカブティックの事? 契約店の事?
入手方法関係なく、保証書さえあればライカカメラジャパンで保証を受けられます。
私はSummilux-M 50mm F1.4 ASPH.を海外から輸入していますが、保証書を使ってライカカメラジャパンで距離計連動の調整をやってもらっています。
2)店頭もしくはネットで中古
ちゃんとしたお店の中古という方法も悪くはないです。店頭、ネット共に、OH済みという明記が無ければほぼ間違いなく買い取ったままで店頭に並べているのでそういったものは非常にリスクが高いです。まともな動作確認すらされてないでしょう。
現行品に近いような新しいボディやレンズでしたらそれでも問題無いですが、M5以前のフィルムボディーやフィルム時代のレンズなどは気をつけたほうが良いです。
状態を目で確認できると安心なのですがネットだとそれが出来ません。良心的なお店だと、注文後に返信メールで詳細な状態を連絡してくれて、それでもよろしいでしょうか? といった確認をくれる所もあります。
私が名古屋の老舗カメラ店で良品として購入したContax IIIaは幕速不良で上下に露光ムラが出る個体でした。良品どころか不良品です。コンタックスに頻発するトラブルですが、そんなものを平然と売っているお店もあるので、店頭もリスクは有ります。
3)ヤフオク
初めてのライカをヤフオクで入手は絶対止めたほうが良いです。ジャンクやゴミを法外な値段で売りさばく転売屋の巣窟です。
まあ、そういった危険な出品者は、「お待たせしました〜! 1点限りの限定です!!」とか「機関絶好調です」とか自分から転売屋ですと名乗ってくれているので一目見て判別は付くのですが。
もしどうしてもヤフオクで安く手に入れたいなら、個人出品者で、追加の写真や状態に関する情報を詳細に記載してる人からにしたほうが良いでしょう。
修理票も付けないくせにオーバーホール済み、と謳っているものは殆どが嘘だと思ったほうが良いです。OH済みであれば修理票を見せることが出来るはずなのにそれをしない=OHしてないと自ら言っているようなものです。
運が良ければ、アタリを引けるかもしれませんので、どうしても安く手に入れたいならばアリかと思います。
初めてで何もわからないから、ハズレだったとしてもそれに気づかず使う・・・というのも幸せかもしれませんが・・・。
「こんにちは! 悪徳転売屋です!」という挨拶の一例。
2.色について
1)ボディー
M4までの時代はブラックボディーは数が少なく、非常に高価です。
M6以降になるとシルバーもブラックも同じくらいの数が出回っているので色による価格差は少ないです。
ライカのデザインに惹かれたのであれば、シルバーが最初は欲しくなるかもしれません。ですが、後々黒皮病を必ずと言って良いほど発症するので、黒も1つくらいは買う羽目になるかとは思います(笑)
ブラックでもブラックペイント、ブラッククロームとあり、フィルム時代のブラックペイント(オリジナルに限る)は非常に高価です。
ブラックペイントはペイントが剥離し、地金の真鍮が露出してくると非常にカッコイイです。エイジングを楽しむのであればブラックペイント一択でしょう。
シルバーやブラッククロームは地金の露出が起きない(メッキが剥離する)ので、エイジングは楽しめません。むしろ、エイジングしてくる=ボロくてみすぼらしいだけです。
後塗りのブラックペイントもオークションで多数見かけますが、七宝塗装高橋さん、関東カメラサービスさん、ルミエールカメラさんあたりでペイントされたものならば良いですが、それらで塗装したという明記がないものは非常に危険です。
一目見て、雑な塗りがされているものも止めたほうが良いです。
シルバーのボディーの下地処理もせず、銀色の上から直接黒いペイントを吹きかけているようなものが多数です。
剥げたペイントの下から銀色の下地が露出しているようなものは100%アウトです。
中古店に行くと何個かは後塗りボディーが置いてあることが多いので、それらを見比べればすぐに解りますが、酷い塗装のものは一目瞭然です。
ヤフオクに、安価で塗装を受け付ける旨の出品がありますが、あれも非常に怪しいので止めておいたほうが良いと思います(ググると被害者の方のブログが出てきます)。
2)レンズ
M3、M2時代のレンズはシルバーの物が殆どで極少数ブラックペイントのレンズが存在します。
言わずもがな、ブラックペイントのレンズは法外な値段がしますのでコレクション目的以外には不向きです。
時代が後になればなるほどブラックのレンズが増え、現行レンズですと殆どがブラックでシルバーのレンズのほうが数が少なく、ものによっては非常に高価です。限定モデル付属にしか存在しないシルバーレンズもあったりします(Elmarit-M 28mm F2.8 ASPH.とか)。
オールドと現行ではレンズの色に対する価値が逆転するので、シルバーボディーのデジタルライカにシルバーの現行レンズを、という人は苦労します(私の事です(笑))。
でも、シルバーのボディーにブラックのレンズはとても似合うので、こだわりがなければシルバーボディー+ブラックレンズもアリでしょう。
現行レンズでシルバーを選ぶのは茨の道です。新品も高い、中古も数が少なくて相場高めです。
3.機種別の買い方
1)バルナックライカ
フィルムにしか存在しない形状です。デジタルでバルナックを使いたい、という人は、バルナックライカを意識して作られたX1、X2、X-E(typ102)を使うほかありません。
レンズ固定のもの、距離計が無いものがあったり、型番よって最低〜最高シャッタスピードが違います。
シャッターダイヤルは全て大陸式なので、現行の単体露出計を使うとパニックになる人もいるかもしれません。
オススメは、個体数も多く状態の良い物が手に入りやすいIIIf、IIIc、IIIg辺りでしょう。低速〜高速のシャッタースピードが全て使えますし。
ただ、IIIgはM型ライカの発売以降の機種でそれまでのバルナックより背も高くなってしまい、バルナックライカらしさは薄れます。
左からM9、X1、D-Lux6。ライカX系はバルナックライカ並に小さいです。
【長所】
・非常に小さい。沈胴式レンズを付ければジャケットのポケットに入る。
・ある意味、割りきった使い方が出来る。
【短所】
・内臓ファインダーが50mmのみ。しかも見難い。
・広角や望遠レンズを使うならば外付けファインダー必須。50mmでも外付けファインダーが欲しくなる(付けると恐ろしく快適)。
・Lマウントの広角レンズが非常に高価。28mmは10万円を覚悟しましょう。フォクトレンダーレンズにすれば安価で済みますが・・・。
・最短撮影距離が1m。
・フィルム装填が難しい(撮り終わったと思ったらコマが進んでなかった、なんてトラブルは良くあること)。
【相場】
・状態が良い物でも5万円くらいあれば買えてしまう。
・コレクターが好むようなレア機種は非常に高価。実用向けの機種を狙いましょう。
IIIcに50mmファインダーのSBOOI、中国製のボディーケース、レンズはSonnar 50mm F1.5 Limited Edition。カッコイイは正義、を地で行くカメラ。
2)M型ライカ
(1)M3
店頭で見つけて3万円で購入したM3。レンズはSonnar 50mm F1.5 Limited Edition。
フィルムライカの王様。圧倒的に作りの良い外装。巻き上げ感触の滑らかさも特筆モノ(特に2回巻き上げの初期のもの)。
ただ、発売後60年以上の時が過ぎているので状態が良い物が殆どありません。ファインダーのバルサム貼り直しまで含めてオーバホールされているようなものならばよいですが、そういったものは高いです。
M3のファインダーはライカ史上最も見やすい、なんて言われていますが、ガラスの劣化などもあり、最新のM9系やM240系のほうが見えは良いです。M3を神格視したいデジタルライカを持ってない人たちが言ってるだけです。
ファインダーのフレームが50mm、90mm、135mmしか無いので広角レンズを使うのであれば外付けファインダーかメガネ付きレンズが必須。
最短撮影距離も1mとやや使いにくい。
狙い目はきちんとしたお店で後塗りブラックペイントされたもの。
塗装時に解体されOHされますので、直近で塗装されていれば機械的なトラブルも少ないでしょう。
注意すべき点はファインダーブロックのバルサム切れです。
ボディー前面側からファインダーを覗いて、内部の周辺が白く濁っているものはガラス面の貼り付けが剥離してきています。
ファインダーを覗いても見えに異常が無ければ良いですが、症状が進めば視野に入りますし、最終的に全面剥離すればブラックアウトします。
よっぽど状態の良い物でない限りファインダーの外周はバルサム切れしています。修理に5万円くらいはかかり、見えが問題なければ修理する人も少ないのでファインダーが完璧な物は少ないでしょう。
【長所】
・恐ろしく手の込んだ外装は見ているだけで惚れ惚れ。
・0.91倍のファインダーのおかげで両目を開けたまま撮影できる。
・神話になるほどの見やすいファインダー。
・滑らか過ぎて病み付きになる巻き上げ感触。
・最もライカらしいライカ。
【短所】
・最短撮影距離が1m(一応0.9mくらいまで連動するが個体差あり。後期の物は一部0.7mも有るらしいですが、改造品である場合が多いです)
・ファインダーがバルサム切れしてるものが殆ど。
・撮り終わった後のフィルム巻き戻しがクランクではなくノブなのでフィルム交換に時間がかかる。
・スプールを使ったフィルムローディングなのでフィルム交換に時間がかかる。
・屋外でレンズ交換すると光線漏れしてフィルムが感光することがある(そうなったら幕が伸びてきてるので幕交換必要)。
【相場】
・ヤフオクならば5〜10万円程度。
・店頭だと10〜15万円程度。
・OH済み個体は20万円以上。
(2)M2
M3の外装がシンプルになり、フィルムカウンターも外部に露出(自分で0合わせをしないといけない)、ファインダーもコストダウンされている。
そのかわり、ファインダー倍率が0.72倍となり35mmのフレームが出るため、35mmレンズを使いたい人には人気です。
個人的にはM2を買うくらいならばM4を買ったほうが良いと思うのですがどうなんでしょうね・・・。
【長所】
・35mmのフレームがある。
・ライカを分かってる人感が出る(笑)
・最短撮影距離は0.7mになっている。
【短所】
・フィルム装填時にカウンター合わせを忘れると何枚撮ったかわからなくなる。
・他はM3と同様
【相場】
・ヤフオクならば5〜10万円程度。
・店頭だと10〜15万円程度。
・OH済み個体は20万円以上。
(3)M4
M4ブラッククロームにSummicron 35mm F2.0ASPH.。
ある意味フィルムライカの完成形。
巻き戻しノブが巻き戻しクランクへ変更、フィルム装填もスプールいらずでフィルムの交換が非常に早く出来ます。
最短撮影距離も70cmになり、現行レンズでも困ることが無いです。
世代が新しいだけあって、ファインダーのバルサム切れ個体も少ないです。
シャッターダイヤルも国際式だけになりました。
【長所】
・フィルムの交換が素早く出来る。
・最短撮影距離が70cm。
・撮るためにライカを使ってる人感が出る(笑)
・オリジナルのブラックペイントモデルでもM3やM2ほど高くない。
【短所】
これといってありませんがあえて書くと、
・古い機種なのでシャッタースピードや距離計は狂いやすい。
・露出計が入っていない(人によってはメリットですが)。
【相場】
・ヤフオクならば8〜15万円程度。
・店頭だと15〜20万円程度。
・OH済み個体は25万円以上。
(4)M5
大ライカ。形が独特で好き嫌いが最も分かれます。
触るとわかりますが、使いやすさはライカの中でも一番でしょう。
ただ、内臓の露出計が壊れると悲惨(自分で露出さえ決めれば撮ることは出来ますが)。
露出計に干渉して使えないレンズがある、などの制約があります。
【長所】
・操作性は最高。
・露出計も非常に使いやすい。
【短所】
・見た目の好みが激しい。
・露出計が壊れると直せない。
・使えないレンズが一部ある。
【相場】
・ヤフオクならば8〜12万円程度。
・店頭だと12〜18万円程度。
・OH済み個体は20万円以上。
(5)M4-2、M4-P
M5を出した後に形が不評で生まれてきたライカの訳ありっ子。
ボディーの作りはライカ史上で最も酷く、巻き上げの感触やシャッターダイヤルのトルクなどは最悪。
M4-Pから28mmと75mmのブライトフレームが追加されて現行ライカと同じになっています。
【長所】
・ファインダー枠に28mm、75mmが追加(M4-2は無い)。
・不人気なので状態の良い物が安く売られてる。とにかくライカボディで撮りたい、けど安く済ませたい人にはオススメ。
【短所】
・作りが悪い。
・操作感が悪い。
【相場】
・ヤフオクならば5〜9万円程度。
・店頭だと11〜14万円程度。
・OH済み個体は16万円以上。
(6)M6
世代も新しいため状態の良いものが多く、露出計も内蔵され、ファーストライカとするには最適なボディーの一つかなと。
M4が欲しいけど露出計が無いと不安、だけど単体露出計を持ち歩くのが面倒くさい、というのであればM6はベストマッチです。
M4-Pで酷かった感触は、M4程ではないもののかなり良くなってます。ライカで撮っている時の操作感の気持ち良さが味わえます。
M6以降(M-P、M-A除く)はライカの赤バッジが付いているので、これを嫌う人も居ます。
【長所】
・露出計が内蔵。
【短所】
・露出計の表示が分かりづらい。
・逆光の時にハレーションで二重像が見えなくなることがある。
【相場】
・ヤフオクならば10〜14万円程度。
・店頭だと14〜18万円程度。
・OH済み個体は20万円以上。
(6)M6TTL
M6TTLにSummaron 35mm F3.5。A&AのボディーケースにストラップはULYSSESのスリングショット2。
背が少し高くなり、今のデジタルライカと同じになりました。
シャッターダイヤルの数字の記入順序が逆になり、M6以前を使っている人は混乱します。これはファインダーを覗きながら露出計の示すとおりにダイヤルを回すと露出が合うようにするために変更となってます。そのかわり、ファインダーを覗いたままシャッタースピードの変更が凄くやりやすくなっています。デジタルライカもM6TTLと同じ並び順です。
【長所】
・露出計が非常に使いやすい。
【短所】
・背が少し高くなった。
・シャッターダイヤルの回転方向が逆に。
・逆光の時にハレーションで二重像が見えなくなることがある(初期の物。後期は改善。)。
【相場】
・ヤフオクならば11〜15万円程度。
・店頭だと15〜20万円程度。
・OH済み個体は23万円以上。
(7)M7
エングレーブ無しのM7 Black ChromeにAPO-Summicron-M 50mm F2.0 ASPH.、A&Aのボディーケースとイエネコカメラストラップ
ついにAEを搭載。電子シャッターとなったため、電池が切れると1/60と1/125以外のシャッタースピードが使えなくなります。撮れなくなるよりマシですが。
ヤフオクで「1/60と1/125以外のシャッタースピードが不良です」と言って出品されているものは、電池切れ個体の可能性が高いです。
もしかしたら電池を入れると正常に動作する可能性もあるので、格安であれば賭けに出るのもアリかもしれません。
デジタルライカに慣れきってしまった人が最も使いやすいフィルムボディだと思います。
ヤフオクと店頭での相場にあまり違いが無いのもポイントです。
新しい機種ですので、よっぽど状態が悪いものは少ないです。
現行機種なので新品でも買えます。
電子シャッターなので低速でスローガバナーの動作音がありません。
シャッター音の静かさは特筆すべき事項で、フィルムM型ライカ史上で最も静かかもしれません。
【長所】
・AEはやっぱり便利。
・M6やM6TTLよりも操作感触は良い。
・シャッター音はM型フィルムボデイで最も小さいかも。
【短所】
・電池が切れると1/60、1/125以外のシャッタースピードが使えなくなる。
・電池が特殊で手に入れるのが難しい(ネットで買えますが)。
・シャッターが壊れると修理が非常に高価。
【相場】
・ヤフオクならば18〜22万円程度。
・店頭だと18〜25万円程度。
・OH済み個体は25万円以上。
(8)M-P&M-A
機械式シャッターの現行機種。
M-Pから露出計を取り除いたのがM-Aです。
非常にストイックな機種ですので、本気でフィルムで撮り続けたい人ならばこの2者のどちらかを選べば確実です。
【長所】
・現行機種なので状態の良い物が殆ど。
【短所】
・個体数も少なく人気もあり、現行機種でもあるので高い。
【相場(M-P)】
ヤフオクと店頭が逆転してます。M-Aは売れて無さ過ぎなので中古はまずありません。
・ヤフオクならば25〜35万円程度。
・店頭だと25〜30万円程度。
・OH済み個体は35万円以上。
(9)結論
露出計無しで良いならばM4、露出計が欲しいならばM6TTLがオススメだと思います(無印M6は露出計内蔵なものの、使いにくいため)。
ただ、M4は古いですので、マメに調整に出す必要があるためランニングコストはかかります。
3)M型デジタルライカ
(1)M8、M8.2
最初のM型デジタルライカ。ローパスレスにしたは良いものの、IRカットフィルターも無くしたためIRフィルターを付けないと黒色の箇所が赤外線で紫色に写るという問題があります。UV/IRフィルターが必須になります。そのトラブルを逆手に取り、赤外線写真を楽しむことが出来ます。
センサーサイズもフルサイズではなく、APS-Hのため、焦点距離が換算1.33倍相当になりますが、ブライトフレームはそれに合わせた倍率になっています(枠は135mmが無く、代わりに24mmが追加されている)。
M8はシャッタースピード最高速が1/8000までありますが、シャッター音がウルサイです。M8.2からは1/4000になり、シャッター音も静かになりました。
手動で取り付けレンズを選べないため、6bitコード付きレンズでない場合はマウント改造してもらって6bitコードを付けるか、サインペンで6bitコードをマウントに書き込む必要があります。
サインペンの粉がボディ内部に入る可能性があるのでサインペンでの6bitコード記入はあまりオススメできません。
【長所】
・M型ライカ史上最速である1/8000のシャッタースピード(M8のみ)。
・赤外線写真が撮れる。
【短所】
・UV/IRフィルターが必須。
・レンズを手動で認識させられない。
・流石に状態の良い個体が少ない。
・高感度が非常に弱い(実用限界はISO400でしょう)。
【相場】
・ヤフオクならば25〜35万円程度。
・店頭だと30〜35万円程度。
(2)M9、M9-P、Mモノクローム(初代CCD)
M9にA&Aのボディーケース。このケースの色はM9シリーズにしかなく、とてもかっこよいです。
フルサイズになったM型デジタル。
M8にあった欠点をほぼすべて克服、IRフィルターも要らないし、レンズも手動認識させられる。
センサー腐食問題が発生し、ライカが正式に認めたため、中古の個体でもライカにて無償でセンサー交換はしてもらえます。
私もセンサー交換していますが、交換前後で描写の違いは体感上認められず。
【長所】
・ついにフルサイズ!
・好みで選べるボディカラー&写真そのもののカラー(モノクロ専用機は渋すぎ)。
・超個性的な色味。
【短所】
・高感度に弱い(実用限界はISO800程度)。
・色味が個性的すぎて色彩が崩壊したような絵になることもしばしば(特に赤の飽和は酷い)。
・背面液晶がショボすぎ。
【相場】
・ヤフオクならば35〜50万円程度。
・店頭だと40〜55万円程度。
(3)M、M-P、Mモノクローム(2代目CMOS)
M240にA&Aのボディーケース、Weiche Briseのストラップ、Biogon 28mm F2.8 ZMに21/24/28mmのズームファインダー。
センサーがCMOSになった代わりに高感度耐性UP、色味も自然になりましたが、国産機にはない華やかな色味。LVも搭載し、EVFも使えるため、Sonyのα7系(R、RII)が現れるまではオールドレンズの母艦としては最強でした。
【長所】
・距離計非連動のレンズも使える。
・背面液晶が実用上問題無いクオリティに。
・高感度耐性の大幅UP。
【短所】
・現行機種なので高い。
・EVFを付けるといろいろと飛び出し不格好。
【相場】
・ヤフオクならば60万円程度。
・店頭だと70万円程度。
(4)結論
よっぽどでないかぎり、M8を選ぶ理由は無いかと思います。
予算がないならばM9系で良いでしょうが、頑張れるならM240系を買っておくほうが幸せになれるかと思います。
4)Mデジ以外のデジタルライカ
D-Lux系とかV-Lux系のパナソニック製にライカのロゴを付けただけの機種は論外なのでここでは議論しません。
(1)X1
ライカX1スチールグレー。KIWIのフィルターアダプター、シュー付きThumbs Up、ヒラノのボディーケースを装着。
JPEGの色味が素晴らしい。標準カラー&ハイコントラストモノクロは定評があります。
画素数は1220万画素と、今となっては見劣りしますが、実際の所2000万画素も要りますが? と考えると少なくはないと思います。
高感度はやや弱く、実用はISO800程度、かなり無理してISO1600といった所です。
EVFは取り付け不可なので背面液晶のLVのみ、30〜50cmの近接撮影時はボタンにてモード切り替えが必要(自動切り替えにも出来ますがAF速度がやや落ちます)、と機能的にはX2に見劣りするものの、現時点で最も安価に手に入る"本物"のデジタルライカです。
今が買い時だと思います。
【長所】
・"本物の"デジタルライカとしては一番安価。
・圧倒的なコンパクトさ。
・撮って出しJPEGが素晴らしい。
【短所】
・レンズがF2.8でちょっと暗い。
・AF速度はお世辞にも早いとは言えない。
【相場】
X1・・・6〜9万円程度
(2)X2、X-E
ライカX2シルバーにケイカメラのフィルターアダプター、A&Aのボディーケース、OLYMPUSのEVF、イエネコカメラストラップを装着。
相変わらずJPEGの色味が素晴らしい。やはり標準カラー&ハイコントラストモノクロは定評があります。
X-Eはカラーリングの変わったX2ですので、無理して新品のX-Eを買わなくても中古でX2という選択肢もアリです。
画素数はX1の1220万画素→1650万画素と増え、APS-C機としては標準的になりました。
RAW現像耐性や高感度耐性も増しています。ISO3200が十分に実用です。
背面液晶のLVのみでなく、EVFも取り付けられ、30〜50cmの近接撮影用のモード切替も不要となりました。
本気で使えるデジタルライカとしては最も安価です。
【長所】
・"本物の"デジタルライカの"現行機種"としては一番安価。
・圧倒的なコンパクトさ。
・撮って出しJPEGが素晴らしい。
【短所】
・レンズがF2.8でちょっと暗い。
・AF速度はお世辞にも早いとは言えない。
【相場】
X2・・・12〜14万円程度
X-E・・・18万円程度
(3)X(typ113)
レンズがF1.7になった代わりにボディーが巨大化しました。フィルターが取り付けられるようになったり、マニュアルフォーカスの操作性が上がったりと実用性は向上。センサーはどうもX-E据え置きの模様(ライカは明言してませんが)。
【長所】
・明るいレンズ。
【短所】
・最短距離付近で絞りが強制的にF2.8になる。
・AFは相変わらず遅い。
(4)X-Vario(typ107)
ズームレンズのためレンズは暗いものの、写りは素晴らしい。
巨大なボディ&レンズに耐えられるのであれば、屋外撮影をオールマイティーにこなせます。
センサーはどうもX-E据え置きの模様(ライカは明言してませんが)。
【長所】
・スームレンズなので汎用性は高い。しかも写りが良い。
・ズームリングにフルサイズ換算の焦点距離が書いてあるので使いやすい。
【短所】
・レンズが暗い。
・AFが遅い。
・ボディーが大きい・・・。
【相場】
ヤフオクで20万円前後。
店頭で22万円前後。
(5)T(typ701)
専用EVFのVISOFLEXが非常に高い。X2やVarioやM240のようにOLYMPUS製の代用も利かず純正を買う他に選択肢無し。
不遇の子。レンズ交換式の割にレンズ開発ロードマップも明確になく、今後SLに取って代わられる可能性の高い試作機的モデル。
【長所】
・デザインはカッコイイ。
・非常に薄い。
【短所】
・レンズの種類が少ない。
・EVFが高い。
・今後の発展があまり見込めず、レンズが資産にならない可能性が高い。
・タッチパネルは操作性が良いとは言えない。
・AFは相変わらず遅い。
【相場】
・ヤフオク、店頭共に11万円前後。叩き売りですね(´д`;)
(6)Q(typ116)
とんでもなく使いやすい。ライカのコンパクト機ではベストアンサー。
ソニーのRX1に対抗したかの如く登場したダークホース。
フルサイズセンサーに28mmF1.7のレンズを付け、RX1との差別化を計る。
ボディーの作り込みは素晴らしく、発売から1年近く経った今も店頭在庫が一切無い品薄っぷりが続いています。
【長所】
・ライカにしてはAFは早い方。
・最短撮影時にはレンズフードが接触するくらいに寄れる。
【短所】
・買いたくても買えない。
【相場】
・物が無いため中古が新品より高いような状態。
(7)SL(typ601)
ライカの本気のミラーレス。
恐ろしく重たいボディーですが、とにかくしっかりと作りこまれている。
ライカストアで触った限りの印象では素晴らしい・・・。
【長所】
・M型とは別のライカの本気機種のため、今後の発展が期待できる。
・ライカのレンズ資産は純正アダプターを使って全て使用可能。
【短所】
・恐ろしく重たい。
・恐ろしく高い。
【相場】
・中古で見たことが無いです。
(8)結論
APS-CコンパクトならX-E、フルサイズコンパクトならQ、レンズ交換式ミラーレスならSLを買っておけば後悔はしないと思います。
長文エントリとなってしまいました。
ご参考になれば幸いです。
※Ver 1.0 (2016年2月1日 16:40 記)
※Ver 1.1 (2016年2月2日 21:18 誤字や誤記を修正)
※Ver 1.2 (2016年2月16日 22:25 本文中から記事へのリンク追加、M7に追記、X1とX2&X-Eの項目を分離)
ライカでまず買うべきレンズ(標準レンズ考)
写真の要素(撮影時編)