Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改 開封の儀

      2016/12/18

ウォーレンサックのベロスチグマット(ヴェロスチグマット)の2インチ(メートル法だと50mm)F2.0というキワモノレンズを買ってきました。
購入は、先回、Som BerthiotのStellor 50mm F3.5 LTM改を購入した、東京の代官山にあるFoto:Mutoriさんにて。

 

Wollensak社はかつてアメリカに存在した光学機器メーカーですが、現在そのブランドは消滅しています。
Leitz銘の純正レンズとしてVelostigmat 50mm F3.5が、交換レンズとしてはVelostigmat 90mm F4.5と127mm F4.5が出ていて、しかもちょくちょく見かけるのでウォーレンサックという名前に関しては、ライカをお使いの方でしたら馴染みはあるかと思います。
Velostigmat 50mmはF2.8もあり、かなりレアで現物は見たこと無し。127mm(インチからの換算か中途半端) F4.5も見たことがないです。
90mm F4.5に関してはRaptar銘だったりVerito銘だったり、名前が時代によって違います・・・が、これも見かけるのは圧倒的にVelostigmat銘が多い感じ。

 

ベロスチグマットはテッサー型で、エルマーと類似の光学系のはずなので、最高でもF値は2.8が限界なのでは・・・と思います。
なので、最初にこれを見たとき「ヴェロスチグマットなのにF2.0???」とかなり頭が混乱しました。

ホントにそんなものが、存在するのか・・・。
ネットで調べる限りだと、Cine Velostigmat 50mm F2.0やRaptarも50mm F2.0は存在していた模様ですが、Velostigmat銘では無い・・・。

古い本を漁るしか無いか・・・と思っていたら、Google Booksに転載されていた、Popular Photograpyの1950年5月号にそれらしき記載を発見。

p.97より拝借ですが、CLARUS MS-35(クララス、クラルス)というレンズ交換式レンジファインダーカメラのバリエーションとして、ラインナップはされていた模様。
但し、実際に市販されていたかは不明です。
シリアルナンバー表を見ても、合致するものがない・・・。
店主のお話ですと、Cineはともかく、素のVelostigmatとして2inch(50mm) F2.0が販売されたことは無く、このレンズは試作品ではなかろうか、との事・・・。
知りうる検索エンジンでは現物が存在したような情報は得られませんでした。

正直、マイナーかつ古い情報は書籍のほうが正確です。
ネットは出典不明の情報が出回るので勝ち目がないです。

私がここに記載したことも、あくまで推測でしかありません
ウォーレンサックはそこまで人気のあるメーカーでもないので、ライカやツァイスのように網羅的に説明された書籍も無さそう。
今後、古い本を見るたびに気にしてチェックしていく事にします。

 

 

という事で、前置きが長くなりましたが、レンズを見ていきましょう(´ω`)

 

本当にヴェロスチグマットの2inch f/2だよ・・・
Som BerthiotのStellorと違ってコーティングがあります。
時代的には戦後のレンズっぽいので、そりゃそうかなと。

 

絞り羽根は9枚。
テッサー型でF2.0は考えにくいため、他のレンズ構成かと思いますが、この蛍光灯の映り込み反射が構成特定の参考になりそう・・・。
3つ見えるので、コーティング面が前玉+3つあるのでしょうか。

 

後ろから見ても、後ろ玉+3つの蛍光灯が見えます。
全てのコーティング面が見えていて、貼り合わせ面は分からない、と仮定すると4群構成なので、ダブルガウス型である可能性が高いですが・・・。
こればっかりは分解してみないとわからないのですが、そんなこと恐ろしくて出来ませんw

 

裏からもキレイに絞り羽根が見えます。
コーティングが無かったステラーさんは絞り羽根を目視するのがすごく大変だったんですが、このレンズはコーティングのおかげで絞り羽根が見えやすいですw

 

メートル表記のエルマー鏡筒に移植されています。
レンズがインチ表記なだけに、フィート表記の鏡筒のほうが嬉しかったなあ・・・w

 

Clarus MS-35はかなり分厚いカメラだったようなので、もし元がクラルス35だったと仮定すると、絞りリングから先がオリジナルである可能性が高いですね。
外観的にはすごくそれっぽいですが、当時のウォーレンサックのレンズを見ていると、マウントが違っても鏡筒のデザインは似通っているので、元々はどのカメラ用だったのかすら、怪しいです。

 

フィルター用ネジ切りもあるのですが、この径とネジピッチが不明過ぎます。
ネジの規格にそこまで詳しくないのですが、一体何に基づいて切られているのやら・・・。
改造された時に移植した筒に付いていたピッチなのか、元々の鏡筒からそこまで持ってきてるのかすら不明です。

 

鏡筒番号は7番。
ちょっと安心しましたw

 

購入した時にWalzの30.5mmのY2フィルターを付けていただいたのですが、これがスカスカでして、ネジ山をパーマセルで太らせて、さらにその粘着力を使って無理やり固定しています。

 

これは後から名古屋で探すとちらほら見かけるフィルターでした。

 

大きいものはハマりませんが、ちょっと小さいやつであれば、頑張って固定が可能という。

 

ライカのズミクロン系でよく見られるφ39mmでもかなりの小口径なんですが、それを下回るとなるとフィルターの選択肢が殆どありません。
30mm周辺だと、新品は30.5mmしか手に入りませんでした。

 

Walzのフィルターのネジ精度が低いから取り付けられないんだ・・・というのを期待したのですが、HAKUBAのフィルターもスカスカでした(´д⊂)

 

仕方ないのでパーマセルで固定することに。

 

枠が太いので外側を巻くスタイルで。

 

グルグル巻きまして・・・。

 

固定完了です。
本日はY2を付けて試写したのですが、コントラストが高くなりすぎる感があるので、普通のMCプロテクターで使うほうが個人的には好みかもなーと。

 

鏡筒の径をノギスで計るとφ32.6mmとこれまた微妙な寸法・・・。
φ32mmの被せフードがキツくてハマらない・・・。
KONICAのφ32被せフードをジャンクで2つ買ってきました。

 

フィルター枠はφ32mmのようなのでハマりますが、それより奥は引っかかってしまいます。
バネ板を削って寸法を大きくするなど改造しないと運用は厳しそうですが、このハマり方でもケラレが発生することはありませんでした。

 

無茶すれば上からイエローフィルタも付けられますが、無駄な内面反射が発生するので正直これはやりたくないですねw

 

純正のキャップも付いてきました・・・が、試作品なら純正キャップと呼ぶのもアレなのかも。

 

当時モノっぽい植毛紙が貼ってあります。

 

フィルターは外径32mm、鏡筒は外径32.6mmなので、当然ながら被せるとユルユルです。
無くすのが怖いのでこれは大切に取っておこうと思います。

 

ジャンクのフードを包んでもらった袋もなんか年季の入ったFUJIFILMのロゴが(´ω`;)
レンズ、袋、ボディで完全に独立した3世代が共存してる謎な絵になってますw

 

Leica M Monochrom typ246へ取り付けたお姿を。

 

キノコみたいな形ですが、これはこれでカッコイイです。
似合うフードが見つかるともっとカッコよくなるかなと。

 

Stellorはキワモノ感がハンパないルックスしてますが、これは一見するとこんなレンズがあったかのように見えてしまいます。

 

パーマセル固定は醜いですが、実用上、フィルターなしは怖すぎますので絶対に付けます。
これこそ代わりの効かない一品モノなので大切にしたいです(´ω`)

 

イエネコカメラにて。
まっくろくろすけですな(´ω`)

 

持ち出すとこんな感じです。

 

Summilux 35mm FLEを取り付けたM9と並べてみる。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

開封して持って帰ってきたかのように見えますが、実はカメラにくっつけたまま持ち帰ってますw

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

店内で撮らせていただいたものを・・・。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

イエネコカメラとはまた全く別のベクトルで凄いカッコイイお店なので絵になりすぎます(´ω`;)

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

メチャクチャ良く写ります。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

代官山から品川駅へ戻る道のりを…。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

F3.5だとさすがに停まって撮りたくなりますが、F2.0のISO1600だと歩いたまま撮ってしまうw

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

目測ノーファインダーでパシパシしながら・・・。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

山手線を数駅行って品川へ向かいます。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

開放はけっこう柔らかいですが、ピント箇所はかなりシャープな感じ。
StellorはF3.5の開放だろうが、絞ろうが、ピント箇所も滲むので全然違った絵が得られます。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

Mモノクロームは高感度が強いので、夜でも暗いレンズがへっちゃらなんですが、やっぱりF2.0あると助かるな、とは思いますw

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

開放だと、ボケは前も後ろもグルングルンするので、ここから察するにもテッサー型じゃないだろうなあと。
テッサー型はこういうボケ方しない気がします。

 

Leica M Monochrom (typ246) + Wollensak Velostigmat 2inch f/2 (50mm F2.0) LTM改

代官山 to 新栄町、ということで、ホームっぽい所に戻ってきましたw

謎の多いレンズですが、バッチリと距離計連動改造されて、何の心配もなく使えます。
Stellorは最短撮影距離が1.5mな改造でしたが、これは1mくらいまで寄れているので、普通のLマウントレンズと使用感変わらず使えます。
ただ、鏡筒を摘んで回すのが難しく、ノブ操作がメインになります。
・・・が、別に実用上それで速射性が落ちるかというと全然無いですね。
2.8エルマーとか沈胴ズミクロンはそうやって使ってましたし(´ω`)

モディファイレンズは沼が深いなぁ〜っていうか、ブラックホールですね(´ω`;)
マウントアダプターとは次元の違う危険さなので、これくらいにしておかないと・・・と思います。

 

開封の儀
試写(モノクロ)
試写(カラー)
試写(ネガカラー)

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