E. Leitz Summicron 50mm F2.0 Collapsible LTM 山崎光学研磨

   

かなり前なのですが、Lマウントの沈胴ズミクロン50mmを山崎光学写真レンズ研究所で研磨、再コーディングしてもらったものを入手しています。
いわゆる山崎ズミクロンってやつですね。

沈胴ズミクロンとしてはMマウントで1本、Lマウントで1本過去に持っていたためこれで3回目の入手です。
山崎光学研磨のレンズとしては、以前に山崎ズマールを持っていたので2本目となります。

一番最初に手に入れたライカがM6TTLとMマウントの沈胴ズミクロンだったので、とても思い入れのあるレンズになります。
当時はAcross 100を自家現像してスキャンしてという楽しみ方だったので、当時のスタイルにいつか回帰したい・・・と思っているのですが、昨今のフィルムライカの高騰(特にM6以降の機種)、フィルムそのものや現像・プリント価格の高騰などを鑑みるに夢に終わる気がしなくもないです・・・。

山崎ズマールは言わずとしれたレンズで、コントラスト浅めで眠たく写りがちなズマールが別物に変化するということで人気があります。
比較的安価に手に入るというのも良いです。

オリジナルの状態のSummar 50mm F2.0も、前玉が傷だらけとか極端に酷い状況でなければMモノクローム系で使うとなんとも言えない良い雰囲気にはなるんですけどね。

 

早速レンズを見ていきましょう。
シリアルナンバー的には1955年製造です。
ライカM3が1954年発売ですので、Mマウント版と並行して製造されていた時期です。
1953年製のシリアルナンバーを持つMマウントのズミクロンもあったりします。
時代が時代なので、製造時期に関してはおおらかそうです。
現代のように、明確に○○年の○月○日発売!みたいなのは無いでしょうし。

 

研磨・再コーティング済みということで前玉はとてもきれいです。

 

前玉の裏側に、研磨しても取り切れなかった拭き傷が残っています。
キズを撮影するのが大変でした。
鏡筒内部の金属部分も見えてしまってますが、映り込んでいる蛍光灯のドーナッツ一番上のちょっと右にあるヘアライン状のものがソレです。
普通に扱っていればキズが付くところではないので、どこかの段階で素人修理とかが入ってこうなったんですかね・・・。
撮影場は問題ないので良いのですが。

 

それ以外のレンズエレメントは綺麗で、後ろ玉もツルツルです。

 

ロックもしっかりかかり、解除後の沈胴もスムーズです。

 

先端部分ローレットにちょっとスレっぽいものがあります。
沈胴ズミクロンは前玉部分が簡単に外れるのですが、そこが固着してるときに治具でクランプして無理やり外そうとして滑ったのでは?と推察されるようなダメージです。
ローレットが潰れるだとか鏡筒が潰れているとかではなく、光の当て方次第でクランプ跡が見える、程度のものです。

 

距離指標はフィートです。
目測の時はメートルのほうが楽なんですけど、メートル表記は数が少ないのとデジタルで目測は厳しいので単位系は拘らないようにしてます。

 

エルマーだと必ずチェックしてしまう鏡筒番号。
この子にもついていますが、8でした。

 

LMリングはフォクトレンダー・レイクォールどちらを使っても指標は真上に来ません。
前使っていた個体も同様だったので、ズミクロンのLマウント版はそういうものなのでしょう・・・。

 

フィルターはマルミの銀枠のものを使っています。
こちらは最初にMマウントのズミクロンを買ったときに手に入れたもので、もはや使い始めて11年以上経つものです。
丁寧に使ってるのでとてもきれいです。
当時は今より39mm径のフィルターが手に入れにくかったなあという記憶があります。
モノクロ撮影用に黄色、赤色、緑色など各種用意していますが、特注で作ってもらいました。

山崎ズミクロン、それなりに持ち歩いてるものの、家族の写真を撮るのばかりに使っていて記事になっているのは大須へ行った時のものだけです。

写りとしてはオリジナルと同様、中央付近は開放から強烈にシャープ、ボケは程々に暴れます。現行レンズのような華やかな色味にもなりません。
元々の沈ズミが良く写るため、そちらも手元に揃えて撮り比べしないと何がどう違うのかを表現出来ない感じです。
山崎ズマールはオリジナルが手元に無くても明らかに別物の描写をしてるのが解るため、そりゃ有名になるわなと。

古いライツのレンズは手放しても結局は買い戻したくなるのと、お値段上昇傾向が止まらないため、折角の縁で手元に来たこちらのレンズ、大切にしていきたいと思います(´ω`)

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