Minolta Autocord CdS II型

   

長らく機材ネタを更新していないので、増えてるものを少しづつ更新していこうと思います。
学位取得も終わったので、更新頻度を徐々に戻していきます。

こちら、ミノルタオートコードのCdS II型です。
ミノルタの二眼レフカメラは機種がそれなりに沢山あるため、それぞれの詳細は他所ブログにおまかせするとしますが、重要事項として抑えるべきは描写に影響するテイクレンズ(撮る側のレンズ)が新旧2タイプあるというところでしょうか。
こちらのようにCdS素子の露出計が出っぱっているミノルタオートコードはすべて新タイプのようです。
露出計なしの機種だと最終のIII型のみが新レンズとなるため、レンズにこだわる方はCdSタイプのほうが見た目的にも探しやすいと思います。

CdSタイプはIII型まで存在しているようですが、II型との違いは220フィルムの使い勝手です。こちら、後述します。
現実的に手に入れるのが困難なフィルムへの対応状況は考慮するだけ無駄と思い、II型で入手に至ってます。
220のフィルムが販売されていないわけでは無いですが、ニッチ過ぎるのが現状です・・・。

この引きのブツ撮り絵、iPhone 13 Pro Maxの望遠側で撮ってるのですが、13Pro系の望遠レンズの絵はデノイジングで塗り絵みたいになるのが嫌ですね・・・
Xや11 Proの望遠レンズのほうが良かったな・・・

話が逸れましたがブツを見ていきましょう。

 

こちら正面のお姿です。
おでこ部分に露出計が付いていますが、この見た目の好みは分かれそうなところです。
使い勝手を考慮すると、実用できる露出計が入っていることは重要なため、個人的にはこれで問題ないです。

 

ビューレンズはそれなりにキズがあるものの、この程度であればファインダーの見えに影響するレベルではないです。
テイクレンズはF3.5ですがこちらはF3.2と少しだけ明るいですね。

 

こちらはテイクレンズ。
キズもなくきれいです。

 

中央左の大きなノブでピントを合わせます。
メートルとフィート両表記になってますね。
6の位置あたりにノブがある状態でカメラ本体を置くと、前のめりになった際にノブがポキっと折れることがあるそうです。
そうなるとオシマイなため、机に置く際は無限遠にするクセをつけたほうが良いです。

 

露出計はISO6〜25000と広い範囲で設定可能です。
針とカウンター目盛の問題なだけのため、そりゃそれも可能か、とw

 

露出計は本来水銀電池を用いたようですが、現在はSR43と関東カメラサービスさんの電圧変換アダプターで対応する必要があります。
高さが足らないぶんはアルミホイルで。

向かって左側が電池ホルダー、右側が露出計です。
OFFの位置から回転させて絞りを変更し、Hを光量がHighの状況、Lを光量がLowの状況で使う形となります。

 

こちらが露出計の結果表示部分で、白色がH設定時のライトバリュー(LV)、オレンジがL設定時のLVとなります。
外部露出計を比較しても妥当な値を示してくれていました。

 

赤丸の入ったノブ状態の部分がシャッター速度の変更になります。
シャッタスピードは1/500が最大です。
絞り側に比べると動きが重たいのと、上記の最大スピードもあるため、最終的な露出決定は絞り側で行うほうが無難かと思います。

 

赤い丸が付いている小さなノブはセルフタイマーのレバー、その左上の黒丸は絞りのノブです。
ノブの突起の先に記されている数字はLVで、前述の露出計が示した値に合わせることで最適露出が得られます。

 

撮影時のお辞儀状態だと絞りとシャッタスピードはこのような感じで見えます。
絞りは露出計に隠れ気味となるため、若干の見づらさがあります。

 

写真中央の突起がシャッターボタンで、赤い丸を黒い切り欠きに合わせているときはロックがかかります。

 

クランクの巻き上げでフィルム送りと同時にシャッターチャージができます。
セルフコッキングってやつですね。

 

クランク根本に被写界深度目盛が付いていますが、無いよりはマシなものの、使うことは無いだろうなと・・・

 

「FOR 24 EXP. PUSH UP AFTER 12」の表記が見えますが、ここがCdS II型とCdS III型の違いです。
CdS II型は220フィルムで24枚撮影をする場合、12枚撮ったあとに「FOR 24 EXP.」と書いてある部分の上のノブをクイッと持ち上げてやる必要があります。
この操作で12まで進んだフィルムカウンターが一旦1へとリセットされ、残りの12枚が撮影可能となります。

III型だとこの操作を必要とせず、カウンターが24まで搭載されているようです。
II型とIII型で迷われる方はこのギミックをどう考えるか次第と思います。

前述の通り、220フィルムで運用するのは厳しい現実があるため個人的には重視しなかったポイントではあります。

 

ミノルタオートコードで厄介なのは専用ストラップ金具の存在です。
ローライフレックスであれば、カニ爪の金具にあたります。
ローライのほうが二眼レフとしては世界的マジョリティ感がありますので、現状でもカニ爪だけ入手してストラップ自作などが気軽に出来ますが、ミノルタオートコード用の金具は古いストラップを探すしか手が無いです。

こちらの個体は一般的なストラップが取付可能なようにストラップ金具を換装してもらっています。
ネジ止め部分なので元に戻せはしますが、専用ストラップを探すのもしんどいため、きしめんストラップ運用から変えることは無いかなあ・・・

 

画像右上の突起を引っ張るとフィルム蓋がパカッと開きます。

 

ミノルタオートコードはフィルムを上に入れて下側に送ります。
ローライフレックスとは逆方向ですね。
フィルムの平面性確保との事ですが、もともとのフィルムがかなりの巻き径をしているためプラシーボに近い気がしなくもないです。
フィルムを下に入れて上に送る機種のほうが多いと思うので、ミノルタオートコードを使われる方はこの点に気をつけたほうが良いです。

フィルム装填時は赤い点にフィルムのスタートマークを合わせます。
セミオートマットのため以後のフィルム送りはクランク動作のみです。
赤窓式は、個人的には実用性としてしんどいためこれは助かります。

 

120と220フィルムを切り替えがここの厚板で出来ます・・・が切り替えることは無いだろうなあ・・・

 

ファインダー付近。
スポーツファインダー運用も可能です。

 

蓋を開けて頭頂部をポンと押すだけでルーペが出てくるので、撮影に入りやすいです。
このあたりのギミックはローライフレックスに近いため流石上位機種といった感じです。

 

ルーペを倒す、蓋を締める、の2アクションで元に戻せる機構です。
使い勝手として申し分なしです。素晴らしい。

 

レンズ部分はベイ1のアクセサリが使えます。
こちらはベイ1の純正と思わしきキャップです。

 

裏面にMinoltaのマークが。
このハンマートーンな雰囲気は表面劣化ではなくて当時からこうなのかな、と思います。

 

富士フィルムはカラーネガのブローニーフィルム生産を止めてしまったので、現状だとカラーネガは富士の選択肢がありません。
コダックはなぜかGOLD200を復活させてきています。
EKTAR 100が1本200円代で購入できた時代にローライフレックスを使っていたので、今のお値段はしんどみが深いです・・・。
コダックの日本国内向け薬剤の流通が厳しくなってるので、今後は現像関連も今以上にお値段上がって行く可能性もありますね・・・。
そもそも現像機が今以上に増えることも無いでしょうし色々心配です。

ブローニー対応の新しいフィルムスキャナが発売予定と、明るいニュースがないわけでもないですが。

 

中判デジタルカメラのハッセルブラッドX1Dと並べたところをパシャリ。
ハッセルのデジタルも後継機種は出るのか?とヒヤヒヤしていましたがX2Dが発表されて一安心です。

 

66の二眼レフカメラと4433のデジタル一眼ミラーレスでは比較になってないのですが、どちらもそれなりにコンパクトだよなーと並べて見て思いました。

数少ない中判カメラの製造元であったARAXがウクライナ情勢で新規製造を辞めてしまったのは直近だとショッキングなニュースでした。
HARTBLEIはギリギリ持ちこたえているようです。
中判カメラのファインダー越しに覗く世界は格別のものがあるため、ボディもフィルムも製造が続いて欲しいところです。

どんな絵が撮れるかに関しては後日また記事を書こうと思います(´ω`)

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