ライカM10 Leica M10が正式発表されました(公表スペックの考察レビュー)【2017年1月30日追記】

      2017/01/30

ライカM10が正式に発表されました。
スペックはおおよそ過去のリーク情報そのままでした。

いきなり結論を書きます。

Leica M9の正式な後継機。
・完成度はボディおよび関連アクセサリも含め極めて高い。
Leica M(typ240)の後継機ではない。

英語ソースから翻訳すると誤訳も生まれそうですので、国内カメラ情報の最大手であるImpress デジカメWatchさんの記事"フィルムライカ並に薄くなった「ライカM10」"(著:鈴木誠さん)をベースにスペックの考察をしていきたいと思います。

Leica News & Rumorsさんの
Leica M10 event coverage
Leica M10 officially announced
Leica M10 design process
Leica M10: the making of
Leica M10 unboxing, additional pictures of camera and accessories

RED DOT FORUMさんの
LEICA M10 RELEASED: THE ULTIMATE DIGITAL RANGEFINDER

これらの記事も参考にしていきます。

 

ライカカメラジャパンは、「ライカM10」(Type3656)を2月に発売する。価格は税別85万円。ボディカラーはブラッククロームとシルバークロームの2色。

なんと、黒がブラックペイントではなく、ブラッククロームです。
Mモノクローム系はブラッククロームですが、カラーのM型デジタルライカとしてはM8以来ですね。
これは、おそらく出るであろうM10-P系ではブラックペイントにして差別化してきそうな予感がします。

ライカM10のボディ厚は38.5mm(テクニカルデータの記載値。以下同)。ライカM(Typ240)の42mmや、ライカM9の39mmより薄く、銀塩のライカM7やライカMP(現行モデル)の38mmに迫る。

こうやって改めて見ると薄いですね・・・。
フィルム機との厚み差は0.5mmですが、貼り革の凹凸を考慮すると0.5mmくらいは握り心地に殆ど影響はないのでは、と思います。
「厚みがフィルム機と同じになったら買う」勢の方々、とうとうそうなりましたよ〜。
マウントが他のMデジよりも飛び出しているわけですが、そこまで違和感も感じずちょっとホッとしています。

 

撮像素子は35mmフルサイズ相当(約36×24mm)の有効2,400万画素CMOSセンサー。感度はISO100〜50000。フィルムライカで巻き戻しノブのあった位置に独立の感度ノブが付き、手動設定した感度をカメラ上面で確認できるほか、「A」ポジションでISOオート、「M」ポジションでカメラ内メニューからの感度設定を行うこともできる。感度ノブはロック機構を持ち、フィルムを巻き戻す際のように引き上げてから回転させる。

ダイヤルではISO100から倍数系でISO6400まで設定が可能。
動画を見ている限りでは中間クリックは無さそうな感じもしますが詳細は不明です。
※中間クリック無しでした(2017年1月28日追記)

ISO50,000まで行けるわけですが、ダイヤルは6400までしかないので、6400より大きな感度を使いたい場合はMでメニューから選択するか、Aでオート使用するか(そこまで上がるのかな?)、の二択になりそうです。
実用上はISO6400までダイヤル指定できれば困ることはほぼ無さそうに感じます。

ISO50,000まで使用可能なわけですが、一体どこまでが実用に耐えうる画質なのかは、今後の実写やユーザーさんのレビュー頼りですね。
さり気なくISO100がpullではなく常用感度になっている所はポイントが高いですね。
M9ではISO160、M240ではISO200がベース感度でしたので、ノクチ0.95などの大口径レンズを日中屋外開放で使いたい時は効果が出そうです。

センサーはもちろんフルサイズ、画像素子は2400万画素のCMOS、センサーの供給元は明言されず、です。
これでもう、CCDの後継機が出ることは無いんだろうなと思わされます。
センサーはM10用に開発されたもののようです(ベースはLeica SLやLeica Qのセンサーで、フランジバックが短いので四隅のマイクロレンズが最適化されている、とかくらいでは無いかと考えていますがどうなんでしょう)。
SLとは違うセンサーのようです(2017年1月28日追記)

なお、ライカM10は動画撮影機能を省略。2012年発表の「ライカM」(Typ240)を動画対応モデルという位置づけで併売する。公式アナウンスはないが、直接的には2009年に発表された「ライカM9」(初のライカ判フルサイズを実現したMデジタル)の後継と言えそうだ。

サラッと書いてありますが、これ、非常に重要な事です。
今回はM9→M10の進化であって、M(typ240)のようなハイテクラインが別途ラインナップされるかもしれないという噂は既にあります。

Leica is rumored to return to the original M numbering (M8, M9, M10) - this could explain why a Leica M10 was recently registered in China. Maybe Leica will make the new M10 their "classic" M camera and turn the M Typ xxx line into their modern, high-tech line.

繰り返しになりますが、「ライカM10はライカM9の後継機であり、ライカM (typ240)の後継機ではない」可能性があります。
ライカM9の後継機を求めていた方はライカM10に飛びついて良いかと思いますが、ライカM (typ240)の後継機を求めている方は暫くは様子見をしたほうが良いと思います。

私はM型デジタルライカの他にハイエンドデジカメを持っていない(一応NEX-5だけは居ますが)ので、M型デジタルライカで出来る限り多くの事をこなしたい、と考えています。同じような考えの方はM240の後継機を待つほうが良いのではと。
「動画は要らない」って意見もありますが、撮れるとそれはそれで楽しいです。
ライカM (typ240)と35mmレンズ(おそらくSummilux-M 35mm F1.4 ASPH. FLE)だけで撮影された映画も存在します。
ただ、後継機では、動画撮影ボタンの位置だけは別の場所に変えて欲しいかな、と思わなくもないですが(´ω`;)

メニューはボタンが減り、「LV」「PLAY」「MENU」の3つに。他にダイヤルと、右手親指のカーソルと中央ボタンです。
シンプルにするために無理やり削ってきた感がありますが、プレビューしつつ、撮った絵を消していく、というスタイルでライカを使う人は殆ど居ないと思うのでこれは良いのかなと。

ただ、電源スイッチ部分がONとOFFのみになり、OFF - S(Single) - C(Continuous) - Self timerの選択が出来なくなりました。
秒間5枚の連射が出来るようになったものの、その連射(Continuous)の選択がメニューの奥にあるとはこれ如何に。
私は通常の撮影ですとSで使っていますが、娘さんを撮りまくる時や、シャッタースピードが稼げない時に1枚目のレリーズによるブレを抑えるためにCで2連写、といった使い方をけっこうします。
この切り替えがメニュー奥にある、というのはちょっと使いづらいかな・・・と。
まあ、ライカらしい使い方は1ショット1ショットレリーズする、でしょうから、これは伝統的なM型ライカの正統進化と考えればやむ無しなのかもしれません。

あと、ファインダーのアイレリーフが50%長くなり、視野が30%広くなっているとの事。それに対応するべくアイピースの径も変更されました。
すなわち、これまでの視度補正レンズやマグニファイヤーが使えなくなるわけですが、さすがライカ、それらを流用できるネジアダプターは付属するようです。

 

ただ、そのアダプターを使用してしまうと、せっかく大きくなったアイピースの恩恵は得られないため、行く行くは買い替えしたほうが良いのかもしれません。現状は視度補正レンズは発表がありましたが、新アイピース対応のマグニファイヤーに関してはアナウンス無しです。

メガネ装着マンは28mmのブライトフレームが0.68倍でも事実上見えない状態でしたが、今回の仕様変更でどこまで見えるようになるかが楽しみですね。
※メガネを装着していると28mm枠は殆ど見えないのは相変わらずでした・・・(2017年1月28日追記)
ライカのファインダーって、四方八方を覗き込むと、実は24mmぐらいの画角の範囲が見えてます。
メガネをしていない方が24mmくらいの範囲が見えるようになるのでは・・・?というような期待もしていますw

レンジファインダーカメラの測距精度に影響する有効基線長は50.61mm(基線長69.31mm×0.73倍)。ライカM(Typ240)は47.1mm(69.25×0.68)。ブライトフレームはLED照明式を継承。従来通りのマスク式で2フレーム1組で表示され、前面ライカロゴ付近の測光センサーにより周囲の明るさに追従する。

ファインダー倍率がM型デジタルライカ伝統の0.68倍から0.73倍に変更されます。
フィルムライカの通常ファインダーが0.72倍(M3は0.91倍)でしたので、それよりも僅かですが倍率が高いです。

ただ、基線長が69.25mm→69.31mmと0.06mmですが変更になります。
ファインダーの仕様変更によるものでしょうが、今までのM型デジタルライカでここが変更になった、というのを聞いた覚えがありません。

距離計窓とレンズマウントとファインダーの位置関係が変わると何が困るかというと、メガネ付きレンズなんですよ・・・。
古いレンズ資産も大切にするライカですので、0.06mmの変化では実用上問題は無い、と判断したのかもしれませんが・・・。
※メガネ付きレンズの互換性については不明との事です(2017年1月28日追記)

Summilux 35mm F1.4
Summicron 35mm F2.0 8枚玉
Summaron 35mm F2.8
Summaron 35mm F3.5
DR-Summicron 50mm F2.0(これは今までだと近接しか使えませんでしたがそこはどうなるやら)
Macro-Elmar 90mm F4.0 のマクロアダプター
Elmarit 135mm F2.8

これらのレンズが実用上どうなるか?が心配です。
広角レンズでしたらともかく、中望遠系は影響が気になる所です・・・。

EVFに関しては、やはりTLのものが使えるようになり、そちらでGPS対応。

バッテリーに関しては、M240系のものが流用できるかもという噂がありましたが、それは否定され、より小型のバッテリーとなりました。

 

カメラとしての完成度は色々と高そうですが、それに拍車をかけるのが、同時発売される純正アクセサリー群なんですよ・・・。

まずはサムレスト。
完全にmatch Technical ServicesのThumbs Up殺しですね。
私もサムズアップを愛用していますが、もしM10を使うとしてたら純正を買います。
なぜならば、ホットシューの奥にビゾフレックス(EVF)の接点があるからなんですよ・・・。
もしこの接点がやられた時、純正のサムレストを使っていれば大丈夫そうですが、社外品を使ってての故障だった場合は保証期間内でもどうなるの・・・という懸念があるのです。

続いてホルスター。
元々はライカM9チタンにて登場したこのオプション、ライカTやライカQはホルスターが発売されていましたが、M型ライカ用はありませんでした。
私もライカストアに行く度に、M型のが出て欲しいですね~、と言っていたクチです。
同じような考えの方が他にも多数いたのでしょうねえ。
これは嬉しい選択肢です。

続いてハンドグリップ。
M8やM9用のはタダの丸棒でしたが、M240系になって少しかっこよくなり、M10でここまでの統一感が・・・。
これは良いなあ・・・と。

続いてボディーケース。
撮影時に液晶を使う必要性は感度の設定のためにあったのですが、感度設定が巻き戻しノブ位置のダイヤルになったため、もはや撮影時に液晶を見る必要がありません。
純正のボディーケースで背面液晶が隠せるようになりました。
これはすごく良いですね。
撮影時に感度を頻繁に変えるので、液晶を隠すタイプの社外ボディケースにはなかなか踏み切れませんでした。
液晶が見れちゃうもんだから、私は1枚撮るとついついプレビューを見ちゃうチンピング野郎です。
プレビューをオフにして液晶一切見ないtomio氏を尊敬しております。
この蓋は取り外し可能ということで、尚更使い勝手が良さそう。
今まではArtisan & Artistのボディーケースをひたすら愛用してきましたが、もしM10を使うなら純正ケースを買ってしまいそうですよ。

そしてこの色!
シルバークロームボディーで赤ボディーケースに絶対しますね。
勢いでストラップまでこの赤い純正にしたくなりますよw

続いて、下記の動画で実写の一部を見ることが出来ます。

Discovering Zanzibar

Matt Stuart - Exploring Brussels withthe Leica M 10

これまでのM型デジタルライカに顕著に見られた赤色の飽和がかなり軽減されているように見えます。
ライカらしい色味で、かつ、不自然さの無い色彩になっていればすごく良いなと思います。

長々と綴ってきましたが、そろそろ息切れですので、結論に入ります。
冒頭に書きましたとおり、

Leica M9の正式な後継機。
・完成度はボディおよび関連アクセサリも含め極めて高い。
Leica M(typ240)の後継機ではない。

といった感じでしょうか。

私はM9の後継機よりもM (typ240)の後継機が欲しいので暫くは様子見です。
もしハイテクラインが出ないのであれば、おそらく登場するであろうM10-Pに期待したいところです。

フォトキナでは一切発表が無かったので当分新機種は無いのか?と思っていたら年明けにM10とはビックリです。
そしてLeica M (typ240)は今後も併売ということで、M240の完成度の高さと息の長さはスゴイな、と思わされます。

Leica M (typ240)は派生機種として、M-P (typ240)M Monochrom (typ246)、M(typ262)、M-D(typ262)があります。
それぞれユーザーのニーズを探るかのようにリリースされてきたわけですが、それらの集大成がM10という感じがします。
間違いなくヒットする&当分は品薄、でしょうw

現状の私のメイン機材はM Monochrom (typ246)、サブ機はM9という感じですので、皆様のM10での作品を楽しみつつ、今後のtyp240の後継機を待ち続けたいと思います(´ω`)

【2017年1月28日追記】
ライカストア名古屋松坂屋店で触ってきました。

・ブラッククロームボディの質感はMモノクロームtyp246にそっくりでした。
・シルバークロームの質感はM9-Pとは違うとのこと(Twitterで入手された方より)。
わたしも現物を見ましたが、アルマイト系鏡筒のシルバーレンズのようなより白っぽいシルバーのように感じました。
・ファインダーに関しては、見えが良くなったような気がする・・・程度(元々すごく良いですからねえw)。
・28mm枠はメガネ着用だと相変わらず殆ど見えない。
・シャッター音はMM246と比べると似てはいるものの、わずかに甲高い音の成分が無くなっていて良いなあと。
・LVやEVFでの拡大位置は変更可能に。
・LVのタイムラグが改善し、追従性がすごく良くなっている。
・背面液晶も良くなり、M240系ですとガラスの後ろに文字がある、って感じがしますが、液晶面に浮き上がってるような感覚に。
視認性は向上してます。
・ISOダイヤルは中間クリック無し。ちょっと触った限りだと動かしにくいな、と思いましたが、実際にストラップでぶら下げた状態で使ってみないとなんとも言えないところも。
・厚さに関しては、フィルム機を持っているような感覚。やっぱりM9やM240系は分厚く感じます・・・。
右手親指付け根の腹が当たる部分にM240系はスピーカーが付いていましたが、そこがなくなったので尚更薄く感じます。
・マウントの飛び出しはあまり気にならないものの、ちょっとレンズ全長が伸びるので違和感がないわけでは無いけど慣れるかなと。
・基線長が0.06mm長くなった事によるメガネ付きレンズの使用に弊害が出ないか?は不明とのこと。

高感度耐性とかは使ってみないとなんとも言えないですが、ネットにある高感度テストを見ている限りでは、ISO3200くらいまでは使えそうかな?と。
デジタル特有の嫌〜なノイズの出かたはあまりないです。モノクロ変換すればもっと高感度でも実用できそうです。
フォトヨドバシのレポートを見ても、色味はM240以上に良くなってる感じがします。

これからM型デジタルライカを始めてみたい、って人にはとてもお薦めできるクオリティだなあ、と、ちょっと触っただけでも思いました。

【2017年1月30日追記】

Leica Rumorsinfofotografi.comさんによるSteran Daniel氏とJesko von Oeyenhausen氏へのインタビュー転載されています。

Most of us are curious to know why the video function is removed from M10?

 

I can’t see the Typ number designation. Is Leica back to original numbering system?

の所に注目ですねえ。
これはM240の後継機が出る可能性が低くなってきました。
・・・って言っても、なにやってくるのかは予測不可能ではありますが(´ω`;)
なんせ、旧来の5桁表記の製品番号はもちろん、今回のM10でもtyp表記の製品番号は残していますからねえ・・・。
M9→M10の伝統的なナンバリングも続けつつM(typ240)→M(typXXX)みたいな進化をさせてくる可能性も無いわけではないですから・・・。

次のMモノクロームがM10ベースで出るのだとしたら、MM246は純粋モノクロ動画を撮影出来る、って意味ではキョーレツな存在になりますね。
まあ、MMのニーズ的には動画とか欲しがる人は殆ど居なさそうな感じですがw

 

ライカM9 レビュー
ライカMモノクローム typ246 レビュー

ライカM typ240 レビュー
ライカX2(X-E) レビュー
ライカの買い方(2016年版)
標準レンズ考
写真の要素(撮影時編)

 - カメラ・機材, ボディ, レビュー ,