ゾナーの偽物の話

      2016/04/14

こちら、Contax用のCarl Zeiss Sonnar 50mm F1.5のBlack Noseです。
かなり調べたモノなのでほぼ本物かと思いますが、大人気のゾナーさんなので世の中にはニセモノ、フェイク品が多数存在しているみたいです。
日本語のサイトはあまり情報がないので海外サイトを見て、わかりやすい情報を2つに絞りました。
Serial Numbers (ページ末のCarl Zeiss参照)
1個目のサイトを良く読めば、だいたいの防衛線が張れます。
贋作元は言うまでもなく、ソ連のJuputerです。
オールドのゾナーを購入する前に上記熟読して欲しいですが、要約すると下記です。
Sonnar 50mm F1.5 = Jupiter-3 50mm F1.5
Sonnar 50mm F2.0 = Jupiter-8 50mm F2.0
Sonnar 85mm F2.0 = Jupiter-9 85mm F2.0
・ジュピターは知られている限りコーティング有り、戦前の95%以上のコンタックスレンジファインダー用レンズはコーティング無し。
★フェイクの疑いがあるもの
・ライカLマウントのコーティングされたゾナー50mm F1.5、 85mm F2.0
・戦前の真鍮製鏡筒、戦中の鉄製鏡筒
・ロシア製レンズは全て鉄製で真鍮製は見たことがない
・戦後にライカLマウントのレンズは殆ど無い(ツァイスとライカは、戦後に競合なので)
・数少ないLマウントゾナーは、恐らく政府用か軍事用のもので、戦後にライカ使いによって発掘された。
・Lマウントゾナーは極々稀にロシアで見つかるかも・・・
★間違いなくフェイク
・銘板の文字がデカくて醜い
・フォーカスの赤い▲がデカイ
・フォーカススケールのメートルがmでなくてM
・TコーティングのTの文字が赤ではなく白い
・鏡筒に大きなギザがある
・青というより紫に近いコーティングがある(コーティングが近代的)
★本物でも・・・
・ドットが,であったり.であったりすることがある
★著者の意見
・戦中のゾナーの90%以上がフェイク
・ジュピターを使え、そして讃えよ、マジで良いから。安いし
・ニコンゾナー(Nikkor-S.C)とかキャノンゾナー(50mm F1.5)はフェイク無いし良いよ
・・・・とまあ、こんな感じ。ホントに重要なところだけ。
Serial Numbersを見ていただけるとすぐわかりますが、シリアルナンバーについても。
戦前から戦中の東西分裂前、1912年~1942年までまずは通しで170万台~280万台のシリアル付いてます。
戦後に東西ドイツに分裂して、
東ドイツ=Carl Zeiss Jena
西ドイツ=Carl Zeiss Opton (Oberkochen)
と袖を分かち、それぞれシリアルナンバーがリセットされます。
Jenaが1945年から300万台でスタート(ある意味戦前を引き継ぎ)
Optonが0から再スタート。
戦後はOptonの番号がJenaとクロスします。
Optonのレンズは、超初期にはCarl Zeiss Optonと銘板にありますが、割と早い段階でCarl Zeiss銘に変わります。
私のレンズは117万番台で恐らく1953年か1954年製ですがすでにOptonの文字が無いです。
1950年台中盤くらいまでBlack Noseがあったようなので、私のコンタックス用Sonnar 50mm F1.5は、戦後の西ドイツ製のもので間違いないと思います。
レンズのコーティング技術は割と軍事機密だったので、戦中まではあまり民生品に使われてないです。
なのでシリアルナンバー的に戦中以前で何かしらのコーティングがあったらフェイクの可能性が著しく高い、くらいの判断でまずは良い感じがします。
それ以上は相当神経質に調べたいときくらいで・・・。
本物でしたら胸を撫で下ろし、ニセモノだったら(´д⊂) ですなw
本を読めば分かるんですけど、書籍もあまり売ってないし、お金はフィルムにかけたい。
ネット上だとライカと比較するとコンタックスの情報は圧倒的に少ないんでちょっと調べてみました。
書籍の情報は大切です。
現代人は本を読まなくなった、とか言われてますが、書籍の重要性が下がってるんだとしたら由々しき事態です。
正直言って、ネット上に公開されてググれば出てくる情報なんて、その時点で価値がない。
ほぼ共有されてるようなもの。
それを駆使してやれる商売とか底が浅いにも程が有ります。
(それすら出来ない転売ヤーを批判したいだけですスイマセン)
しかも嘘も多い。正直、今回書いた記事すら、情報の信憑性としてはゼロ。
やっぱ、第三者に校正されて出版された物に乗っている情報の有用性は高いよなーと。
もっと書籍も集めないとあかんなぁと思います(もちろん、出版物が間違ってる事も多々ありますがw)

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